倒れた選手に反応がなく、呼吸がない場合、心配蘇生処置の適応と判断し、ただちに胸骨圧迫を開始する。呼吸の有無の確認には、 胸と腹部の動きを観察し、動きがなければ「呼吸なし」と判断する。しゃくりあげるような不規則な呼吸である死戦期呼吸の場合も心肺蘇生を開始する。また、周囲の人に救急通報(119番通報)とAEDの手配を依頼する。
胸骨圧迫は胸骨の下半分を1分間に100〜120回程度の速さで、胸が約5cm程度沈むように圧迫する。小児における深さは胸の厚さの1/3とする。
AED(自動体外式除細動器)は心停止の原因となる心室細動に対する治療法であり、専門家でなくても操作できる。電気ショックの必要性は胸にパッドをつけることで自動で解析し、判断してくれる。使い方は、①電源を入れる、②パッドを胸部に貼る、③傷病者の体に誰も触っていないことを確認して、電気ショックのボタンを押す、の3ステップである。電気ショック後は胸骨圧迫を再開し、傷病者に普段とおりの呼吸が戻るまで、あるいは救急隊に引き継ぐまで胸骨圧迫を継続する。
人工呼吸を行う際は頭部後屈下顎挙上にて気道確保を行う。1回換気量の目安は人工呼吸によって傷病者の胸の上がりを確認できる程度とし、送気(呼気の吹込み)は約1秒かけて行う。この時、胸骨圧迫と人工呼吸を30:2で実施する(小児の場合は15:2)。訓練を受けていない一般の人が蘇生を行う場合、胸骨圧迫のみ行う。
傷病者に普段通りの呼吸を認める時は気道確保を行い、救急隊の到着を待つが、この間、傷病者の呼吸状態を継続して観察し、呼吸が認められなくなった場合はすぐに心肺蘇生を開始する。人工呼吸を組み合わせた心肺蘇生を行うのが望ましい状況は、窒息、溺水、目撃のない心停止、遷延する心停止状態、小児の心停止である。